2018年1月23日 更新

私たちがふだん食べる牛肉は、 99%牧草牛ではない。それって、なにが問題?

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過剰な穀物と抗生物質で育つ牛

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 牛肉といえば、誰もがサシや霜降りがたくさん入った牛肉を思い浮かべるだろう。たしかに、黒毛和牛や但馬牛や松阪牛など、いわゆる最高級に格付づけされた牛肉には、美しい霜降りがたくさん入って、見るからに食欲をそそられる。

 しかし、これらの牛肉のほとんどは、自然の牧草地で育った肉用牛ではないのをご存知だろうか? 牛ばかりではなく、豚や鶏を含めて、日本では家畜を飼育施設に集めて、自然の牧草ではなく、穀物や抗生物質を使った除草剤、化学肥料にまみれた土壌で育った牧草で集中的に育てている。
 
 つまり、良い肉=霜降り肉を数多く、集中的かつ効率的に市場へ送り出すために、自然放牧より穀物肥育を選ぶようになったのだ。結果、牛肉を例にとれば、日本における牛肉の格付の基準である霜降りの美しさは、そうした穀物を過剰に摂取した牛から得られることが多くなっていった。

健康で栄養価の高い牛は食べられないの?

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 過剰な穀物と抗生物質を使った飼料で育った牛は、極端にいえばおいしいものをたくさん食べすぎてぶくぶくに太った肥満体であり、病気にならないように抗生物質で抑えているのに等しい。つまりは、代謝障害、代謝異常の産物を、私たちは高級牛肉として食していることになるのだ。

 こうした事実から、脂肪に溜まる炎症からの毒物やホルモンなどが、食肉や牛乳を通して人間の体に入ってくる可能性も否定できない。それが即、病気や健康被害につながるものではないにしても、食生活と病気との関連性を考えれば、まったく無関係ともいえないであろう。

 穀物肥育で育った肉用牛から逃れられないにしても、私たちはそもそも健康で栄養価の高い、安全・安心な肉を口にすることはできないのか。もちろん、できる。その一つとして今、クローズアップされてきているのが、自然な牧草で育った牛の肉である。グラスフェッドビーフと呼ばれる牧草牛は、穀物肥育牛と比べて筋肉脂肪が少ないとされ、良質のタンパク源として見直されている。

和牛の美味しさに慣らされた舌

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 1970年代以前まで、日本では畜産と言えば放牧が主流だった。化学肥料や除草剤を一切使わない、自然の土壌で育った牧草は、牛や豚の腸内細菌で発酵された有機物が、微生物と共に土壌に戻っていく中で成長している。太陽や自然のエネルギーがたっぷり含まれた牧草が育つ土壌の中で、伸び伸びと放牧された牛や豚は、余分な脂肪や代謝障害をもたらすような人工物が一切ない。引き締まった肉質と高い栄養価がそのまま反映される。

 和牛のような調理したおいしさはないとか、土くさい、パサパサしているといった声もあるが、そもそも、それは穀物肥育に慣らされてきた日本人の味覚のせいかもしれない。

 その本格的な牧草牛を育てる動きが日本でも始まっているそうだ。99%は穀物肥育といわれる中、一般的に流通するまでにはまだまだ時間はかかるが、近い将来、健康的な食生活に欠かせない存在になるであろう。
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