2016年11月10日 更新

日本人の10歳以上は全員、動脈硬化???

動脈硬化は心臓発作や脳卒中など、血管系の大病の要因となる動脈硬化は、大人の病気と思いきや、実は日本人の10歳以上に見られるとか。果たしてその真相は?

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ファーストフードの大普及

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東京オリンピックの1964年ころには心臓発作や脳卒中などの恐ろしい血管系の病気はそれほど多くなかったのに、その20年後の1984年には、日本人のほぼ全員に動脈硬化症が見られ、血管系の病気にいつかかってもおかしくない状態になっていたことが分かりました。この日本の劇的な変化を考えると、見逃せないのはオリンピックの6年後、1970年に日本で最初のファミリーレストランがオープンしたことです。

これを皮切りに、ファミレスばかりか、ハンバーガーチェーンなどのファストフードが次々にオープンしました。こうしたファミレスやファストフードに多いメニューは、油を使ったものです。特に、揚げもの、炒め物が多い。日本の伝統的な揚げ物は天ぷらとカツ丼ですが、ファミレスとファストフードの大普及で外食が一般化し、日本の食生活にフライなどの揚げ物がやたらに増えました。

でも、これだけで心臓発作や脳卒中に結びつくわけではありません。実はファミレスなどが普及し始めた頃、揚げ物などに使う油にも大変革が起きていたのです。

「動脈硬化になりにくい身体をつくる」その1:植物油と酸化作用

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動脈硬化が蔓延して心臓発作など恐ろしい血管系の病気にかかる人が一気に増えたもうひとつの理由は、ファミレスが普及し始めた頃、揚げ物などに使う油が、動物系から植物系に置き換わったことです。

このころ、動物系の食品はあまり体に良くなくて、植物系が体にいいんだ、という情報がメディアなどでよく流されました。1970年ころには栄養素の研究が大分進んで、特に油脂は、動物系は人間の体で作れるのに対し、植物系に多く含まれるオメガ6と呼ばれる油は、人間の体では合成できないため、食事でとらなければならない必須栄養素だ、ということが突き止められ、一気に植物油ブームとなりました。揚げ物では動物系のラードが植物系のサラダ油に、トーストでは動物系のバターが植物系のマーガリンに、次々と置き換わりました。ところが、この植物油には、とんでもない落とし穴があったのです。そのことは一般にはあまり知られず、最近になってようやく話題になり始めました。

植物油の落とし穴

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植物油に多く含まれるオメガ6と呼ばれる油は必須栄養素で、健康には欠かせない重要な栄養素ですが、大問題は酸化しやすいことです。揚げ物などで熱すると、オメガ6系油脂の酸化は一気に加速されます。

オメガ6系の油は、細胞膜の主要原料のひとつです。ところが油が酸化すると、フリーラジカル(活性酸素)となって、近くにある油を酸化してしまいます。ですから、酸化したオメガ6が多く細胞膜に配置されると、酸化がなだれのように起こり、細胞膜がぼろぼろになってしまいます。これによって発がん物質が簡単に細胞内に入れるようになるためにがんが発生する、という説を主張する研究者が少なくありません。細胞膜が酸化してぼろぼろになるのは非常にまずい状況ですので、体の免疫はそのことを知っていて、血液中に酸化された油脂を発見すると、マクロファージと呼ばれる免疫細胞を送り、酸化された油脂をまるごと食べてしまいます(この辺りの説明は本当はもっと複雑ですが、非常に単純化して書いています)。

免疫はこうして酸化した油脂を退治するのですが、問題は血液中に、酸化した油脂があまりに多いと、マクロファージがそれを食べ過ぎてしまうことです。油脂を食べ過ぎて役に立たなくなったマクロファージは、脂肪がぎっしり詰まった泡沫細胞となり、血管の内側にへばり着いてしまいます。植物油を使った揚げ物を食べると、酸化した油脂が大量に体内に入り、それが血管に送り込まれます。それを食べすぎて膨れ上がったマクロファージが、泡沫細胞として次々と血管の内側にたまり、血管の内側が隆起状に盛り上がってしまうのが動脈硬化です。植物油による揚げ物や炒め物をたくさん食べるようになった結果、日本人の10歳以上の全員が、心臓発作や脳卒中の予備軍となっていたのです。では、動脈硬化を予防する、あるいは治すにはどうしたらいいのでしょう。

その2:動脈硬化を防ぐ油とは?

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心臓発作や脳卒中といった血管系の恐ろしい病気の元となる動脈硬化症を防ぐ一番の方法は、前回までのお話で明らかなように、酸化した油を取らないことです。手っ取り早いのは、油を使ったフライなどの揚げ物や炒め物をやめるか、極力控えることです。それでも揚げ物や炒め物を食べたい場合は、使う油を、酸化しやすいサラダ油、天ぷら油、ごま油などから、酸化しにくいラードやココナッツ油にすべきです。揚げ物や炒め物はいずれにせよ、油の摂り過ぎになりますから基本的にはお勧めできませんが、あえて言えば、一番いいのはココナッツ油です。

ラードは酸化しにくい飽和脂肪酸を多く含みますが、この飽和脂肪酸は長鎖脂肪酸といわれる分子構造の大きな脂肪であるため、血液の流れを悪くしてしまいます。これに対し、中鎖脂肪酸と呼ばれる、分子構造があまり大きくない飽和脂肪酸を多く含むココナッツ油は、酸化しにくい上に、血流を悪くするという問題が起こりません。また、ココナッツ油に多い中鎖脂肪酸は細胞の燃料に優先的に回されるのに対し、ラードに多い長鎖脂肪酸はどちらかと言うと、蓄積に回されやすいですから、太り過ぎを気にする方にもココナッツ油がお勧めです。

揚げ物や炒め物をなるべく控え、こうした料理に使う油はココナッツ油にすることが、心臓発作や脳卒中など血管系の病気を予防する、あるいは治療中の方には特に重要なことですが、油の酸化を防ぐのは、これだけでは十分ではありません。

その3:フリーラジカルが酸化を進める

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動脈硬化を予防する、あるいは治療中の方にとって一番重要なことは、酸化した油をなるべく摂らないこと、つまり揚げ物や炒め物などの料理を極力控え、それでも食べたいときは使う油をココナッツ油など酸化しにくい油にすることです。しかし、いくら食事を注意しても、油の酸化は完全には防げません。私たちの体の中にも外にも、油などを酸化させてしまうフリーラジカル(活性酸素)がうようよと徘徊しているからです。

このフリーラジカルを中和して無害化するのが抗酸化物です。食事などで体内に入って来る油脂などをフリーラジカルの酸化から守るうえに、酸化してしまった油脂を中和して無害化するためには、私たちの体に十分な抗酸化物の備えが必要です。この抗酸化物が大量に含まれている食品は野菜とくだものです。また、雑草系の植物の葉(穀類のイネ、大麦、小麦なども雑草類)にも抗酸化物が豊富です。

こうした抗酸化物の多くは、熱を加えたり、冷凍したりすると壊れてしまい、役目を果たせません。ですから、抗酸化物を食事から十分に摂るためには、野菜とくだものはできるだけ新鮮なものを生で食べたいところです。また、穀類は、実だけ食べて、抗酸化物が豊富な葉を捨ててしまうのは、非常にもったいない話です。しかし、穀類の葉は牛や馬などの草食動物は消化できますが、人間はそのまま生で食べてもほとんど消化できず、せっかくの抗酸化物が思うように吸収できません。穀類の葉からも抗酸化物を効率よく吸収する方法はないのでしょうか。
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