2017年11月2日 更新

がんが最も恐れる酵素 Part1

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がんの膜を溶かす消化酵素

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がんと聞くと誰しも死につながる恐ろしい病気をイメージします。がんは、がん細胞がたくさん集まった塊です。そのがん細胞が非常に恐れている酵素があります。それが、タンパク質消化酵素です。

がん細胞は普通の細胞が変身したものですが、がん化することで普通の細胞とは性質も行動も全く違ってしまいます。私たちの免疫細胞は、この違いを見抜く能力を持っています。いったんがん細胞があることが分かると、異物と見なして攻撃し、あっという間に撃退してしまいます。

ところが、がん細胞の塊であるがんは、自分たちの周りをタンパク質の膜で被っています。そのため免疫細胞は、この膜に邪魔されてがんが異物であるとわかりません。つまり、タンパク質の膜が、がんの隠れ蓑になっているわけです。この隠れ蓑を溶かして、分解してしまうのが「タンパク質消化酵素」です。

消化酵素は、私たちや動物の体では、すい臓で作られます。炭水化物を分解する消化酵素がアミラーゼ、脂肪を分解する消化酵素がリパーゼ、そしてタンパク質を分解するのはトリプシンとキモトリプシンです。これらの消化酵素は十二指腸に送られ、入ってきたタンパク質や炭水化物を分解して、その後、小腸や大腸で吸収しやすくします。使われなかった消化酵素は吸収され、血液で各細胞に送られます。

がんに送り届けられたトリプシンとキモトリプシンという消化酵素は、がんの隠れ蓑であるタンパク質の膜を分解します。これらタンパク質消化酵素が、すい臓でしっかりと作られてさえいれば、がんは丸裸にされ、免疫の標的となるのです。

消化酵素は、すい臓でつくられる

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がん細胞は表面がプラスの電荷を帯びています。これに対し、私たちの普通の細胞は、表面がマイナスの電荷を帯びています。免疫細胞が、がん細胞を異物と見なす決め手は、この電荷の違いです。がんが自分の周りを覆っているタンパク質の膜は、マイナスの電荷を帯びています。この電荷を帯びた膜があるために、免疫細胞はがんを異物と見なせません。この膜をタンパク質消化酵素で分解して引きはがせば、丸裸になったがんがプラスの電荷を帯びていることが発覚し、たちまち免疫の標的となるわけです。

タンパク質消化酵素のトリプシンとキモトリプシンはすい臓で作られます。ガンを患っている人にとって、すい臓は極めて重要な臓器です。すい臓が糖尿病などで衰弱していると、酵素の生産が思うようにできません。糖尿病の人ががんになる確率は、そうでない人に比べて2倍だと言われるのは、この辺りが理由のひとつかもしれません。

すい臓が酵素を十分に作っていたとしても、肉などタンパク質が多く含まれる食品ばかりを食べて過剰気味の人は、タンパク質の分解に消化酵素がほとんど使われてしまいます。すると、がんの隠れ蓑であるタンパク質の膜を分解するために、酵素を回せなくなります。タンパク質の摂取を控えればいいのかもしれませんが、すい臓は簡単に回復してはくれません。がんの隠れ蓑をすぐにでも引きはがそうと思ったら、サプリメントなどで消化酵素を補うのも大切なことです。

サプリメントに含まれているトリプシンとキモトリプシンは、豚など動物のすい臓から抽出されます。その他に知られているタンパク質消化酵素は、パイナップルから摂れるブロメライン、パパイヤから摂れるパパインです。この2つは果物から摂れるので、生産が比較的簡単で、大量に作れるのですが、タンパク質消化酵素としては、トリプシンとキモトリプシンほどの威力がないといわれています。

最近、納豆から摂れるナットウキナーゼという酵素が注目されています。これはタンパク質消化酵素として働き、トリプシンに近い威力があるようです。キモトリプシンはトリプシンよりさらに強力です。
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