ガンは低体温で増殖する?|身体を温めミトコンドリアを元気にしよう!

人はなぜ、がんになるか?

この謎を解くために、医学の分野では様々な研究や治療法、薬の開発などが行われていますが、いまだ根本的な原因の解明にたどりついたとは言えません。

しかし一方で、がん細胞の性質に着目すると、意外にも私たちが普段食べている食事や生活習慣に、原因や関係性があることが明らかです。

正確には、食べたり飲んだりしたものの栄養がエネルギーに切り替わる際の「解糖系エンジン」と「ミトコンドリ系エンジン」が深くかかわっているのではないか、ということです。

果たしてどういうことでしょうか?

 

解糖系エンジンとは?

私たちの体には、エネルギーを生み出す2つのエンジンがあります。

それが「解糖系エンジン」と「ミトコンドリア系エンジン」です。

解糖系とは「糖質」を利用してエネルギーに作り出すエンジンのこと。

私たちにとって糖質は、車で言うところのガゾリンのようなもので、身体を動かすためのエネルギー源と言えます。

解糖系のエンジンは、糖質を素早くエネルギーに変えることができるため「即効性」に優れています。

運動時のスポーツドリンク、勉強中のチョコレートなどが象徴的で、糖質はすぐにエネルギーに切り替わるため、瞬時にパワーが湧いてきます。

ただし、解糖系エンジンは一度生産できるエネルギーが少なく、持続力もありません。

即効性はあるが長続きしないため、解糖系エンジンだけで1日を乗り切るエネルギーを得るためには、頻繁に糖質を摂取しなくてはなりません。

ご存知の通り、糖質の過剰摂取は、がんや糖尿病の原因の一つとされる他、炎症反応を引き起こすなど、体に大きな負担をかけます。

そういった意味でも、解糖系エンジンを使う糖質過多の食生活は長い目で見たときにリスクがるのです。

 

ミトコンドリア系エンジンとは?

それに対してミトコンドリア系エンジンは、糖質以外にも、脂質やタンパク質もエネルギーに変えることができます。

ただし、解糖系と比べて代謝の構造が複雑で、エネルギーを作り出すのに時間がかかります。

しかしその分、解糖系の18倍ものエネルギーを作ることができ、「持続性」に優れたエンジンと言えるのです。

ミトコンドリア系エンジンは、効率的かつ長時間に渡りパワーを持続できる、とてもエコなエンジンなのです。

 

ミトコンドリア系エンジンを効果的に機能させるためには、毎日の食事がとても重要です。

ミトコンドリア系エンジンは、「脂質」を利用できることが、最大のポイントです。

脂質の代謝産物であるケトン体は、ミトコンドリア系エンジンでのみ、エネルギーに変わります。

普段の食事で、糖質を減らし脂質を増やすだけで、ミトコンドリア系エンジン優位の体質に変わると考えられます。

 

がん細胞が増殖する環境とは?

さて、この2つのエンジンが、がん細胞の増殖とどのようにかかわっているのでしょうか?

それを知る手がかりになるのが、1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞したドイツの学者、オットー・ハインリッヒ・ワールブルグ博士の発見です。

「がん細胞にはミトコンドリアが少なく、解糖系のエネルギーを得て生きている」

この発見は80年以上も前のものですが、今日言われているようにがん細胞は、糖質を餌にしています。

同時に、がん細胞が低酸素、低体温の環境で増殖していることにも目を向けた発見でもありました。

 

私たちが、解糖系エンジンを素早く働かせようとするのはどんな時でしょうか?

空腹時や疲れを感じたとき、気持ちがふさぎこんでいるとき、息をつめて何かに集中している、重いものを持ち上げるなど、体に負荷やストレスがかかるときなど。

その状態から逃れようとして、無酸素の状態で素早くエネルギーを使います。

ストレスを受けると私たちの体温は低くなり、体温が低いと血流が悪くなり、低酸素状態になることがわかっています。

その状態が長く続けば続くほど、あるいはあまりに大きなストレスを受けると、食事や生活習慣のバランスが崩れ、低体温、低酸素で動く解糖系エネルギーに偏ってしまうことも考えられます。

 

体を温めてミトコンドリアを活性化

がん細胞は低体温状態で増殖する。

それは、言い換えれば、体を温めれば、がんを寄せ付けない体内環境を作れると言うこと。

体温が上がれば、細胞内のミトコンドリアが活性化しがんが発生するリスクは抑えられます。

熱いお風呂やサウナ、習慣的に運動を取り入れるなどして、体温を36.5度前後に保つことが理想です。

 

また、仕事や生活習慣を見直し、ストレスを極力溜め込まないようにすることも大切です。

ほどよいストレスは、好きな趣味や息抜きで解消できますが、多忙を極めたり、思うようにいかないことが続くと、免疫力が落ちて体温が低くなります。

無理せず適度に休息をとり、十分な睡眠を心がけ、ストレスを発散したり息抜きできる環境を作っておくことも、がんを予防する必要な考え方だと言えます。

まとめ

自分の体を、がん細胞が増殖しない環境に整える。

それは、自分自身の生き方、生活習慣を見直すことでもあります。

栄養バランスのとれた食事と適度な運動、ストレスをためない生活を心がけ、ミトコンドリア系エンジンを活性化させることが、健康を維持する上でとても大切です。

生活リズムが偏ってはいないか、自分の生き方や習慣を意識してみてください。