クローン病を食事と栄養で克服した私の体験談

クローン病という病気をご存知でしょうか。

私は2011年3月、難病に指定されているクローン病の診断を受けました。

クローン病を克服するため病院で言われた通りの治療を行ってきましたが、残念ながら病院で言われた通りにやった治療では完治せず、食事と栄養でクローン病を克服したのです。

そんな私の体験をお伝えします。

クローン病とは

クローン病とは大腸および小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍を引き起こす原因不明の疾患です。発症は10歳代~20歳代の比較的若い方に起こることが多く、男性で20~24歳、女性で15~19歳で発症するのが多いようです。

特徴的な症状は腹痛と下痢。さらに発熱、下血、体重減少、全身の倦怠感、貧血、発熱などです。

私の場合、初めの症状としては食事をすると即トイレへ駆け込み下痢。それだけでなく1日何度も下痢がありました。また月1~2回は突然寒気が来たと思ったら一気に38℃以上の発熱。そんな生活を2年間送った末、クローン病と診断されることになります。

またクローン病は瘻孔、狭窄、膿瘍などの腸管の合併症や関節炎、虹彩炎、結節性紅斑、肛門部病変などの腸管外の合併症も多く、これらの有無により様々な症状があり、完治することはない難病と定義されています。

クローン病患者数

1976年では128人だったクローン病患者は2013年には約4万人と右肩上がりに増え続けています。

潰瘍性大腸炎とクローン病を合わせてIBDという言い方をします。腸に関する病気の方は増えていて、潰瘍性大腸炎の患者数は2014年末の時点で17万人。欧米に多いとされていた腸の病気は今や日本で増え続けています。

クローン病の一般的な治療法

一般的なクローン病の治療は、「薬物投与」と「食事療法」です。

薬は主に免疫調整薬、腸の炎症を抑える薬、ステロイド剤、下痢止め、抗菌剤などが使われます。点滴の標準治療薬としてレミケードという点滴も行われます。

食事は高タンパク、低脂質、低残渣の“消化にいい食事”が基本で、柔らかい白米、おかゆ、うどんなどが中心になり、油は積極的に摂らないというのがクローン病の基本的な病院での食事指導です。

私の治療と経過

病院での治療方法

私は病院で行う薬物投与をしっかり行い、食事もガイドライン通りの食事をしました。

処方された薬は14種類。↓

 

そして月1回の点滴のレミケード(クローン病の標準治療薬)です。↓

これらの薬物投与を2011年3月の診断以降、2018年3月末まで7年間続けました。

食事療法としてはガイドライン通り、柔らかい白米、おかゆ、うどんなどが中心のノンオイル生活。牛や豚、生野菜は発病以来は一切食べず、ささみや鶏胸肉がごちそうでした。

病院での治療方法の経過

病院での指示通りの薬物投与と食事指導に従って治療していましたが、良くなることはなく、相変わらず病院に救急車で運ばれたり何度も何度も入退院を繰り返しました。

手術をして腸を切除した影響もあってかお腹の調子はほぼ軟便から下痢の症状が続き、2~3か月に1度の発熱。 それだけでなく噛みようのない奥歯の横や咽頭などに口内炎がよくできました。毎週高熱を出してやっと入院した時には、敗血症の疑いがあったこともあります。

そして発症してから3年が経った2014年にはアルブミンが2.0台にまで落ち込み、発症5年目である2016年に1.8にまで落ちた時にはついに両足が腫れて歩けなくなり、 右ほほばかりに毛嚢炎ができ、 身体にカビが生え始めました。医師に相談するも取り合ってもらえず、別病院に駆け込んだ時には30代前半の私が「お亡くなりになる老人レベルの栄養状態」と言われるほど栄養状態が低下していたのです。

さらにはその後も合併症が尽きず、そのたびに各科からの薬が上乗せされついには肝硬変寸前に。不安に思って薬の拒否をすれば各医師からは「飲まないと治らないよ」と言われるだけでした。

発病以来まじめに服薬も食事制限も守ってきた私ですが、いい加減「人間として摂らなければいけない栄養素があるよな」と考えるようになりました。

薬をやめ、栄養補給を開始

2018年3月、私は一切の薬を辞め、食事を変えました。クローン病を克服したという方の紹介で、健康指導師会の理事長の栄養学のセミナーを受けたことがきっかけです。

セミナーを聞いて、やっぱり口にする栄養が大事だと確信。

私は14種類の飲み薬を飲むのをやめることを決め、食事もガラッと変えました。

タンパク質補給のために牛肉や豚肉、サラダ、卵を1日に何個も食べるようにしました。

またずっとノンオイル生活をしてきましたが、油は非常に重要な栄養素だと学び、サラダにもかけたり料理にたくさん油を使うようにしました。油の摂り方や量によってはお腹がゆるくなることがあるので自分で量を調整しながら摂取するようにしました。

そしてタンパク質や脂質だけでなくそれらを代謝するための「ビタミン」「ミネラル」を補給すべきと学び、生野菜もたくさん摂るようにしました!!

病院でクローン病の方に指導をする食事をご存知の方は信じられないかもしれませんが、実際このような食事に徐々に変えていきました。

クローン病の食事ガイドラインからは大きく逸脱した食事になるので、実際家族には心配されましたが、この食事に変えてからというもの普段ならとっくに発熱し寝込むはずの私がそれをしない姿に一番驚いたのはまさに家族でだったのです。

栄養補給後の私の体調の変化

食事を変え、栄養補給を始めてからは発熱しないだけではなく、他にも様々な症状が改善していきみるみる元気になっていきました。

倦怠感を感じなくなった

人間として摂るべき栄養をきちんと入れ始めてから倦怠感を感じなくなりました。

本当に当時は必要な栄養が全く足りていなかったのだと思います。

貧血が改善した

貧血の症状もよくある症状でしたが、これも改善しました。ある専門機関に私の赤血球を観察してもらったのですが、食事を入れる前と後では素人の私が見てもわかるくらい赤血球の様子が変わったのです。以前はヒョロヒョロで弱々しいような赤血球でしたが食事を変えた4か月後の私の赤血球はパンパンでとても綺麗なまん丸で、これには本当に感動でした。

自転車や階段が疲れなくなった

上記に記載した通り、ひどい時は歩けなくなるほどまで体が弱り切ったので自転車や階段が上がることすらできなかったですが、そうでない時もやはり自転車に乗ったり階段を上り下りする時は疲れたものでした。それが疲れなくなり身体が元気になっていることを実感しています。

病院に運ばれなくなった

以前はすぐに高熱を出し病院に運ばれ入院するのは慣れっこでしたが、救急車を呼ぶことはなくなりました。

最後の点滴薬もやめた

食事を変えてからというもの、薬なしでも大きな異常が出ないことに医師たちは首をひねるばかりでした。医師には何度も食事のことを話をしましたがきちんと聞いてもらえませんでした。

前述した通り、私は7年間、飲み薬とレミケードという点滴薬を使用してきましたが、レミケードは免疫抑制剤で発がんリスクの高い劇薬かつ遺伝子組み換え薬品なので、できれば早くやめたいと思っていました。

飲み薬をやめてから大きな異常がなかったので、レミケードの点滴もやめたいと医師に交渉してきましたが、「これはやめさせることはできない」と、受け入れてもらえませんでした。

しかしそして食事を変えてから3ヶ月経った頃にようやくやめていいと医師に許可をもらい、やめることに成功しました。これは本当に嬉しかったです。

健康指導師としての活動

私は昔から風邪をひいたり病気をしたら病院で薬をもらうことしか知りませんでした。薬以外で治す、治るという考えはなかったのです。

でもこれだけ飲んでたら気付いてしまうのです。飲んでても治らないこと。薬で炎症は止まらなかったし、下痢止めで下痢は治らなかったし、整腸剤で腸の調子はよくならなかった。なんなら合併症だらけで次から次に薬しか出てこなかった。

薬は対処療法、症状を消すだけで根治治療ではないことにここまできて気付くわけです。

私はこの病気になってから、途中、心折れることや諦めも多々あったけど、必ずこの人生でこの病気を克服する!と当初に決めていました。回り道をしながら、もがきながらもちゃんとこれで治そう!よくしよう!と思える道に出会え、健康指導師の資格を取得し活動を始めました。

本当に、食と栄養の大切さをたくさんの人に知ってほしいです。

まとめ

腸に関する病気になる方が今は非常に増えていて、そのような方から相談されることが増えました。

私は薬だけに頼らずきちんと栄養を補給することがとても重要だと身をもって確信しています。

私の体験がたくさんの人の役に立てたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!