キレイ好きは要注意!菌を触れないとアトピーになる!?

大腸菌が体を守っている

大腸菌が体を守っている

突然ですが、大腸菌ってご存知ですか? 体に有害な菌ではありますが、実は大腸菌がいることで私たちは病気になりにくい体質を保っています。いきなりウンチの話で恐縮ですが、私たちの便には大腸菌が含まれています。大腸菌は腸内細菌の一つで、ふだんは大腸で生きています。血液中や尿路に侵入すると毒素を出し、それに免疫が過剰反応して内毒素ショックを起こします。でも有害であるはずの大腸菌が体内にあることで、逆に病気にならずに済んでいるのです。たとえばアトピーです。今、大腸菌をもっていない赤ちゃんが増えているそうです。そんな赤ちゃんが、アトピーにかかる場合が多いのです。

今の親世代がまだ子どもだったころ。ウンチのあとは紙でお尻を拭き、手を洗って終わりでした。なかにはろくに手を洗わない子もいたかもしれません。便には大腸菌がウヨウヨいます。当然、手には大腸菌が付着するはずです。それでも、外で泥だらけになって遊び、その手でおにぎりやおやつを食べていました。おそらく私たちの体には、常にばい菌が侵入していたと思います。でも当時、周りにアトピーの子はいませんでした。アトピーと言う言葉さえ聞いたことがなかったように思います。

今はどうでしょう? トイレに行けば石けんどころか、消毒液で手を洗います。それ以前に、トイレは水洗でウォッシュレット。さらに殺菌ティッシュ、殺菌マット、殺菌スプレー、空気清浄機など「殺菌」や「抗菌」効果がある製品が家中にあります。まさに家のなかは無菌状態。なのに、私たちの周りにはアトピーや花粉、アレルギーの子どもたちがたくさんいます。それはなぜなのでしょうか?

あまり清潔にし過ぎると…

あまり清潔にし過ぎると…

身体を清潔に保つために消毒、殺菌をする。考えたら当たり前のことです。菌が元で感染症になることがありますから、殺菌や消毒は欠かせません。でもそれを徹底した結果どうなったか。皮肉にも、ちょっと寒いと風邪をひき、学校では貧血で倒れ、アトピーや花粉症の子どもたちが増えました。

もう一つ、O-157という菌も大腸菌と関係します。21年前にアメリカのハンバーガーチェーンで猛威をふるい、732人が感染して4人の子供が亡くなり、178人が腎臓や脳に大きな損害を受けました。日本でも18年前の1996年5月に岡山の学校給食で468人が感染、2人が死亡、そのすぐ後の7月に大阪で7996人が感染して3人が亡くなり、大阪では、カイワレ大根が原因ではないかと騒ぎになりました。

O-157とは、そもそも大腸菌が変異したものです。親世代が幼少のころ、よく鼻水を出している子どもを見かけました。それは、手についた大腸菌などが口から入ると、TH1(ヘルパーT1)細胞という免疫が反応して菌を退治するために、菌の死骸が出やすくなります。これが鼻水だといわれています。TH2という免疫細胞も、アレルギーに関係しているとされています。このTH1とTH2のバランスが重要で、日頃から菌に接して、これらの免疫細胞をある程度活性化していないと、TH1とTH2のバランスが崩れやすくなるようです。

つまり、日頃から菌にさらされて鼻水を出していたころは、アトピーは全くなかったのです。大腸菌は、腸内細菌のバランスをよい状態に保つために不可欠です。清潔にすることばかりに神経を使い、消毒、抗生物質で殺菌を徹底してきた結果、私たちの身体は新たな病気に侵されやすくなってしまったのです。周りにアトピーや花粉症などアレルギーの人たちが増えるようになったのもその影響といえるでしょう。

どうしたら克服できるか?

どうしたら克服できるか?

アレルギーや病気を予防するには、腸内細菌のバランスが非常に大切です。そのバランスが崩れていると、アトピーや花粉症などのアレルギーになりやすくなり、病気に対する抵抗力も落ちてしまいます。腸内細菌のバランスを保つためには、善玉と悪玉の両方の菌が必要です。その二つの菌の均衡が保たれていれば、悪玉菌が悪さをすることはありません。これらの菌を殺してしまう抗生物質は、必要なとき以外安易には服用しない方がいいです。

抗生物質ばかりではありません。ほかにも、菌を殺して腸内細菌のバランスをかき乱すものがあります。化学調味料などの食品添加物、殺虫剤や農薬などです。腸内細菌をバランスよく保つためには、野菜と果物を十分に食べることです。食物繊維が腸内細菌のえさとなります。穀類の食物繊維も悪くありませんが、どちらかといえば野菜と果物の食物繊維の方が、腸内細菌には適しているようです。さらに、腸内細菌にとっていいのは漬け物など発酵食品です。また、腸の中に適度な水分を保つことも重要です。

当メディア上に提供する記事は、健康指導師会監修の元可能な限り情報を精査しておりますが、閲覧された利用者様の解釈において、正確性、完全性、有益性、特定の目的への適合性まで責任を負うものではありません。
また、この記事を閲覧された利用者様が、記事内容をもとに行われる判断、行動、それに伴った結果について保証するものではありません。
利用者様ご自身の責任の下、判断・行動を行って頂きますようお願い致します。