がん細胞は糖分が大好き! 甘党に迫る、がんの危険

がん細胞のエネルギーは糖分

がん細胞のエネルギーは糖分

 

甘いもの好きな方には耳の痛いお話ですが、糖分(ブドウ糖)とがんはとても密接な関係にあります。がんは糖分が好きで、糖分なしでは生きていけません。がんは糖分以外を、あまりうまくエネルギー源にできないからです。

私たちの細胞にとって、糖分は重要なエネルギー源に違いありませんが、細胞は糖分以外にも、脂肪やアミノ酸(タンパク質)をエネルギー源にできます。脂肪から派生するケトン体もエネルギー源になります。ところが、がん細胞はエネルギー源を大きく糖分に頼っています。

がん細胞は、私たちの普通の細胞、すなわち正常細胞が何らかの事情、原因により変異したものです。変異すると、特徴や行動が全く違ってしまうのです。エネルギーの生産方式も、この違いのひとつです。がん細胞のエネルギー源が糖分ばかりになってしまう理由は、細胞内でエネルギーを生産するミトコンドリアにあります。

がん細胞はミトコンドリアが働いていない

がん細胞はミトコンドリアが働いていない

エネルギー源を糖分ばかりに依存するがん細胞は、ミトコンドリアがあまり働いていません。これが普通の細胞とがん細胞の決定的な違いです。人間の場合、ひとつの細胞に100個から3000個のミトコンドリアがいると言われています。ミトコンドリアは独自のDNAを持ち、細胞分裂のように分裂をして増殖します。

糖分は細胞の中で、様々な酵素によってピルビン酸に変換され、ミトコンドリアに運び込まれます。これがミトコンドリアの中で化学変化すると、ATP(アデノシン3リン酸)と呼ばれる物質が生産されます。ATPは1個当たり、約8カロリーのエネルギーを蓄えています。このATPが細胞の必要な場所に運ばれて、エネルギーを供給します。ミトコンドリアは細胞の発電所と呼ばれていますから、ATPは電池のようなものです。

ミトコンドリアではピルビン酸1個について、36個のATPが生産されます。ブドウ糖がピルビン酸に変換される過程でも、2個のATPが作られますから、合計で38個です。つまりミトコンドリアによるエネルギー生産方式では、1つのブドウ糖につき、8カロリーの38個分(8×38)、244カロリーのエネルギーを作り出すわけです。

がん細胞はこのミトコンドリアでのエネルギー生産があまりされていません。細胞はミトコンドリア以外でもエネルギーを生産する方法を持っていて、それはブドウ糖を発酵させる(乳酸に変換する)方式です。がん細胞はミトコンドリアが働いていない分、この発酵方式でエネルギーを作り出しています。発酵方式ですと、1つのブドウ糖から作られるATPは、わずかに2個です。ミトコンドリアでのエネルギー生産ではATPが38個できるのに比べ、発酵方式は恐ろしく効率が悪いことになります。

それゆえミトコンドリアでのエネルギー生産が極端に減って、発酵方式を積極的に採用しているがん細胞は、エネルギー生産の効率が非常に劣ります。ミトコンドリアが十分に機能している普通の細胞に比べて、大量の糖分が必要となるのです。

ミトコンドリアは細胞の発電所

ミトコンドリアは細胞の発電所

がん細胞の最大の特色は、細胞の発電所と呼ばれるミトコンドリアでのエネルギー生産があまり稼働していないことです。これが稼働していないと、2つの大きなハンディキャップを背負い込むことになります。ひとつは、ミトコンドリアの代りに、発酵方式によるエネルギー生産を稼働させるのですが、この発酵方式は恐ろしく効率が悪いことです。もうひとつのハンディキャップは、ミトコンドリアが稼働していないと、糖分以外の脂肪やアミノ酸(タンパク質)をエネルギー源にできないことです。

ミトコンドリアの中で、エネルギーを産出する化学反応の過程は、クエン酸サイクルと呼ばれます。糖分がピルビン酸に変換されて、クエン酸サイクルに運び込まれるのですが、脂肪もアミノ酸も、酵素やビタミンで変換されることによって、このクエン酸サイクルの中に投入できます。クエン酸サイクルが稼働していれば、脂肪もアミノ酸もエネルギー源になるわけです。逆に、ミトコンドリアのクエン酸サイクルが稼働していないと、脂肪もアミノ酸もエネルギー源にはなりません。

ただ、クエン酸サイクルの化学反応をきちんと進めるのには、ビタミンB群が欠かせません。ビタミンB1、B2、B3、B4、B5(パントテン酸)、B6、B7(ビオチン)すべてが必要です。また、脂肪酸とアミノ酸をクエン酸サイクルに投入できるように変換する場合にも、これらのB群の大半に加えて、B12も必要です。そしてクエン酸サイクルのエネルギー生産では、酸素が絶対不可欠です。ビタミンB群と酸素が不足していると、がん細胞のように、ミトコンドリア内でのエネルギー生産がきちんとできず、脂肪やアミノ酸をエネルギー源にすることにも支障が出ます。

まとめ

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がん細胞は、糖分以外をエネルギーにすることは苦手。うらをかえせば、糖分を摂取しなければエネルギーは枯渇してしまい、がん細胞は勢力を失うと言うことになります。もちろん正常な細胞は、ミトコンドリアが稼働しているので、脂肪やアミノ酸をエネルギーにすることがでます。よって糖分を摂取しなくても問題ありません。重要なことは、エネルギーを生産するまでのクエン酸サイクルで必要な、酵素、ビタミン、ミネラル、酸素などをしっかり摂ることがです。もちろん食事から。

酵素やビタミン・ミネラルが多く含まれている食品は、なんといっても野菜です。甘党は、がん細胞が生活しやすい体内環境になっているかも知れません。野菜をたくさん食べることを心がけ、糖分が多い食品はなるべく控えることが、がん予防の一つだと言えるのではないでしょうか。

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